2026/2/14(土)『ペンと剣 増補新版』刊行記念 中野真紀子(翻訳者)+柿木伸之(美学・哲学)トークイベント「エドワード・W・サイード 絶望から手繰り寄せる希望」

2026年2月14日(土)17時〜(1時間半予定)
エドワード・W・サイード『ペンと剣 増補新版』刊行記念

中野真紀子(本書翻訳者)+柿木伸之(美学・哲学)トークイベント
「エドワード・W・サイード 絶望から手繰り寄せる希望」

パレスチナ問題に通底する世界の構造を広い視野と鋭い批評精神で解き明かし、西洋中心の価値観に根源的な問いを投げかけた20世紀におけるもっとも重要な思想家のひとり、エドワード・W・サイード。彼は2003年に亡くなる直前まで、パレスチナ人の権利を擁護し解放を求めて誰よりも雄弁に訴え続けました。1987年から1994年までの長期にわたり積み重ねられたインタビューをまとめた本書は、主著『オリエンタリズム』や『文化と帝国主義』の核心、そしてパレスチナ問題との関わりを、サイード自身の平易な言葉で語った一冊です。そこには彼の思想のエッセンスだけでなく、葛藤し、行動し続けた一人の人間としてのサイードの姿が鮮やかに浮かび上がります。これからサイードの主著を読みたい方にはぴったりの入門書となりますし、現在の世界に行き詰まりや絶望を感じている人にも希望を見出させてくれる本です。

では、なぜパレスチナでジェノサイドが起きているのか。そして同時代を生きるわたしたちはその現実とどのようにつながっているのか。今回のトークは、サイードの著書を数多く翻訳し、パレスチナ問題へも長年にわたり関心を寄せてきた中野真紀子さんと、ベンヤミンをはじめとするドイツ語圏の美学を専門とし、この破局が続く世界で生き延びる可能性へ向けて、哲学を捉え直したいという姿勢で研究を続けてこられた西南学院大学教授の柿木伸之さんをお迎えし、「サイードをいま読むこと」の意味、またパレスチナ問題と現代の世界について、それぞれの思いを語っていただきます。

(会場では書籍を販売いたします。トーク終了後、お二人のご著書へのサイン会も開催いたします。他店舗で購入の書籍もご持参いただいて構いません)

【会場】dongbaek   福岡市城南区別府7-1-12-102(地下鉄七隈線別府駅より徒歩7分)
【お申込み方法】Googleフォームにて受付
【参加費】1,700円

中野真紀子(なかの・まきこ)
翻訳者⚫︎『ペンと剣』をきっかけに、サイードやパレスチナに関連する書籍や映像の翻訳を多数行っている。最新訳書はアーティフ・アブー・サイフ著『ガザ日記:ジェノサイドの記録』(地平社)。他の分野では、ノーム・チョムスキー/エドワード・ハーマン共著『マニュファクチャリング・コンセント――マスメディアの政治経済学』(トランスビュー)、ナオミ・クライン著『地球が燃えている――気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言』(共訳、大月書店)など。独立メディア系の活動では、ニューヨーク発の非営利メディア Democracy Now!の日本語版を提供する「デモクラシー・ナウ!ジャパン」の代表を務める。

柿木伸之(かきぎ・のぶゆき)
専門は美学、著書に『ヴァルター・ベンヤミンー闇を歩く批評』(岩波新書、2019年)、『断絶からの歴史ーベンヤミンの歴史哲学』(月曜社、2020年)、『燃エガラからの思想ー記憶の交差路としての広島へ』(インパクト出版会、2022年)、最新刊に『ベンヤミン 破局の後に生き残る思想』(青土社、2025年)。訳書にクリストフ・フリードリヒ・ハインレ『ハインレ詩文集』月曜社、2025年)などがある。西南学院大学国際文化学部教授。

【お問合せ先】info@dongbaek25.com

【書籍紹介】『ペンと剣 増補新版』
エドワード・W・サイード 著/デーヴィッド・バーサミアン 聞き手/中野真紀子 訳
2025年12月・里山社刊 2,300円+税 

エドワード・W・サイード
1935年イギリス委任統治下のエルサレムに生まれ、エジプト・カイロの英国系学校に通う。1951年に渡米しアメリカで高等教育を受ける。コロンビア大学で英文学・比較文学を教えながら『オリエンタリズム』『知識人とは何か』(ともに平凡社)、『文化と帝国主義』(みすず書房)などのポスト・コロニアル研究における画期的書物を記す。1967年第3次中東戦争を機にパレスチナ解放運動の理念に共鳴し、1977年からPNC(パレスチナ民族評議会)のメンバーとなり米国との和平提案を仲介。『パレスチナ問題』『イスラム報道』(みすず書房)などのパレスチナ問題に関する書籍も多数執筆。だが次第にPLO主流派とは隔たりが広がり、91年白血病の診断を機にPNCを辞任。93年のオスロ合意には警鐘を鳴らし解放運動の中では孤立したが、死の直前まで精力的な政治批判をつづけた。03年死去。

デーヴィッド・バーサミアン
1945 年ニューヨーク生まれ。両親はアルメニア人でトルコにおける大虐殺(1915 年)を逃れてアメリカに渡った。コロラド州ボールダー市を拠点としたコミュニティー放送局の活動に携わり、アメリカの主流メディアが取り上げない体制批判の声をとどける番組「オルターナティブ・ラジオ」を1986 年後半に創始し、現在も活動を続けている。ノーム・チョムスキーとの数知れぬ対談が有名だが、その他にもエドワード・サイード、ハワード・ジン、タリク・アリ、アルンダティ・ロイ、ラルフ・ネーダーなど数多くのプログレッシヴな論客との対談を重ね、それに基づく書籍も多数刊行している。独立メディアの世界に大きな足跡を残し、多数の賞を受賞している。

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